2008年12月27日

魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜2巻発売

って、年末進行で随分前から売ってたみたいですが、一応オフィシャルには26日発売でございました(笑)。
皆様是非是非お手にとってやって下さいませ!!!!

さて、漫画版2巻の発売に先駆けていよいよ20日から映画が公開となりました!
そして何と本日よりシネマート六本木ロビーにて映画公開を記念して私がこれまで描いてきた魔法遣いシリーズのカラー複製原画展が開催されております!
最新作から懐かしいイラスト等も多々ありますので、是非皆様映画鑑賞と併せて楽しんで下さい。私も近く足を運ぼうと思います。

そしてそして年末はコミックマーケットですよ〜。新刊は入稿済みですので30日は無事本が出る予定です!!
タイトルは『Imaginary Line』、幼馴染本です(笑)。宜しくお願い致します!!
あと同日のジェネオンさんの企業ブースにて商品ご購入者を対象にサイン色紙が当たる抽選会が開催されます。よしづきも寄稿しておりますので是非是非お立ち寄りを〜。





という訳で、一通りお知らせもし終わったところで(笑)、以前お話したようにページがギリギリだった為にあとがきすら載せ切れなかった「魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜」第2巻、その代わりのような文章を「夏のソラ」後記としてこちらにアップしたいと思います。
以下ネタバレ含みますので本編未読の方はお読み頂いた後にお願い致します。











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『魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜』全2巻いかがだったでしょうか?

今更かもしれませんが、私がこの魔法遣いシリーズ(ユメ・ナミ・ソラ編)で共通して感じていたテーマは「人の死」でした。
原作の山田先生が紡ぐシナリオには暖かな魔法の裏側にいつも人の生死事が身を潜めていて、奇麗事で包まれることなくそれを真正面から魔法を触媒にえがききろうとしておられます。

そして私がそもそも最初のユメ編『魔法遣いに大切なこと』の漫画化を引き受けたのも、その「死の臭い」に引かれたからに他なりません。魔法が出てくるから闇雲に暖かい訳ではない、極寒の中にこそ蝋燭のオレンジが一際暖かくあり続けるというその魔法の使い方に、作家としてとても共感を覚えました。
そしてそのえがき方はユメ・ナミ・ソラ編を通して一貫した世界観に落とし込まれていきます。

ユメ編では「恋人の死」を、ナミ編では「家族の死」を。
そしてソラ編では「自身の死」を。

今作はある意味究極的な部分を扱うことになりましたが、だからこそ「命」そのものをストレートに表現することも出来たと思います。


この『魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜』をもって、(少なくとも私が担当する)漫画版『魔法遣いに大切なこと』は終了します。
私にとっては魔法遣いで描くべきことはもう全て描き切ったからです。

「魔法は人を想い遣ることが力の源である。では仮に人を想い遣れないような事柄がこの世からなくなれば、そこには魔法はもう必要ない。」

そのような世界が訪れることを願います。


                               よしづき くみち
posted by kojita at 13:44| Comment(7) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
後書きを読ませていただきました。
私は、はっきりとまでに意識できていませんでしたが、シナリオ的にひかれる何かがはっきり分かりました。
確かにユメのシリーズで一番だと思っているのは、望みをかなえた相手が火災で亡くなる話でした。
異論のある方もいるとは思いますが、私は納得がいきました。
素晴らしい後書きだと思っています。

私としては、他の方のご意見も聞いてみたいので短かめの文章で失礼します。

(ちなみに私が先生の作品に出合う以前からの愛読している先生の作品は、戦記系が主な為、主人公やそのまわりの人が死ぬのが普通です。そんな作品を小中学生の頃から読んでる私も変わってますので。)
Posted by BAJA野郎 at 2008年12月28日 02:45
ちょうど今、魔法遣いに大切なこと〜夏のソラ〜第二巻を読み終えました
「巻末に後書きがない」と思い、HPを開いてみればここに後書きが……

死の辛さというのは本当に言葉では表現できないんですよ
だからこうして別の形で比喩的に表現するしかできないんです

…………

正直「死」をノンフィクションで表現するのは反対派です
勝手に軽く表現してる感じがして嫌なんです
でもよしづき先生と山田先生の「死の表現」は、好きとは言い切れないけど、嫌いではないです

あとは映画を見て先生の原画展を見て今年を終えるつもりです
Posted by テキーラ at 2008年12月28日 15:16
第二巻読ませていただきました。
どの魔法遣いシリーズでも、最後には死を受け入れ乗り越えて行こうとする人々の話であったと思っています。
魔法とつくから、華やかなファンタジー作品のような印象をタイトルから受けますが、対照的に我々に死を現実としてどう受け止めるのか?という問いかけをされているような気持ちを抱く話だったと思います。

シリーズを通して読んでみて、自分の中に物語として感動する以外に何か引っかかる感覚がありました。今回、第二巻のあとがきを読んでハッキリわかった気がします。おそらく、最後の詩は魔法遣いを読む前と後では感じる物が違っていたと思います。


魔法遣いの締めくくり?ということで、少し残念な気がしますが、先生の伝えたいことは伝わってきたと思います。自分の中で一番印象的な言葉は、相手に魔法を使う時の言葉「こころをこめて」です。自分が誰かのために何かをするとき、自分はきっとこの言葉を忘れないと思います。

誰もが魔法遣いになれる日が来ることを願って・・・
Posted by 万事 at 2008年12月28日 19:19
第二巻&先生の後書き読ませて頂きました。
以前、「太陽と風の坂道」の感想掲示板に「初めはナミが嫌いだったが、徐々に惹かれていった」と書かせて頂きましたが(笑)、今回のヒロインであるソラは、私にとって初めから強い魅力を持っていたヒロインでした。

それだけに、「ひょっとしたら、TV版と違ってソラは元気に……」と微かな希望を持っていたのですが……二巻を読み終えて、「ああ、やっぱりこうするしかなかったんだな」と、少し寂しい気持ちになってしまいました。

漫画の登場人物と自分を比較するのはおかしいのかも知れませんが、「ソラが生きていた時間は、私自身の何倍も素晴らしく、充実した時間だった」と感じさせられました。私自身もソラに負けないくらい、充実した時間を生きていけるよう、色々と努力をしようという前向きな気持ちになりました。

もう先生の「魔法遣い〜」が読めなくなると思うと、ユメの時から読んでいる者としては非常に寂しいですが、「長い間、お疲れさまでした」という言葉しか浮かびません。

ひまわり畑でウエディングドレスを着たソラの姿は、私の中で一生心に残る名場面でした。

本当に素晴らしい作品をありがとうございました。
Posted by TAKE at 2008年12月30日 00:53
今、二巻を読み終えてこちらへ来ました。

終わりが近づくにつれて目が潤んできて、最後の詩に涙が出ました。
というのも私自身恋人との関係で望まない死があったからです。
ソラや豪太達のように、出会ってから短い間でしたが、それから8年経った今、この作品を読んで鮮明に甦りました。

豪太や他の人が、「ソラの命の欠片を大切に持つ」と言うこと、今の自分と同じようで非常に共感が持てます。

よしづき先生が描いた作品も、風化しかけていたその時の記憶を思い起こすきっかけになったのかもしれません。
Posted by HK at 2008年12月30日 03:22
初めて書き込ませていただきます。
25日,上京の折に「夏のソラ」第2巻を購入し,六本木シネマートで映画も見て来ました。どちらにも共通して感じたのは,「ソラは成すべき事を成し遂げたのだ」ということです。主人公が死んだにも関わらず,私には悔しさとか悲しさといった感情はありませんでした。ソラの人生は短い物でしたが充実したものだったと思います。「魔法遣いシリーズ」は以前から存じておりましたが,先生の名前を存じ上げたのは今年になってからでした。私は男ですが魔法少女物が好きでして,1巻のアンケート葉書にも記入させていただきましたが,好きなジャンルが好きな絵柄で読めて幸せでした。作品を拝見し「4コマギャグのような物でもいいから4弾を」と願っていたのですが,先生に最早描くべきことが無いのでしたら残念ではありますが先生のお気持ちを受け入れようと思います。実は最終回は雑誌で読んでいたのですが,2巻はまだページ順に読んではおりません。しかし「あとがき」を27日に読んでしまい,どうしても気持ちを書き込みたかったのです。満足できる作品をどうもありがとうございました。それから,コミケお疲れ様でした。来年も先生の作品に期待します。
Posted by 鈴木昌生 at 2008年12月30日 22:14
お初にお目にかかります。
「魔法遣いに大切なこと」(ユメ編)を読んでファンになって以来、気がつけば短編集も含め、初版がズラリと並んでおります・・・。
初めてよしづきさんの作品を読んでから早6年。他にも大好きな「漫画」はいくつかありますが、一人の「漫画家」に、6年も付いて来たのは自身初めてのことです。これからも新しい作品を楽しみに待ちたいと思います。

「死」について。
巻末の詩についてですが、この作品を読む前から存じておりました。
しかし、今回この作品を通して目にしたとき、明らかに印象が違いました。それは、魔法遣いに大切なことが「死」に対して誠実であったからだと思います。魔法では命は救えないという本シリーズの描写は、思い遣る気持ちだけではどうにも出来ない事もあるということを真摯に描いただけでなく、それでも幸せな気持ちにすることは出来るということの証明であった気がします。

最後に。
「辛くて死んでしまいたい」と誰しも1度くらいは思ったことがあると思います。
でも、

「命は限りあるもの、精一杯使って生きよう。」

この作品を通じて、心からそう思うことが出来ました。ありがとうございます。
よしづきさんは私に魔法をかけてくれました。きっと他の皆さんにも。
後はただ、皆さんどうか電池(いのち)をはずさず、また、電池(いのち)が早く切れてしまわないことを祈って・・・。
Posted by ぷ〜 at 2009年02月03日 00:31
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